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お正月ついでに(違)
以前書いておりました、にゃっぽんで連載しています話の続きですw
【注意書き】
設定は、KAITO×女性マスターでして。
しかも、微妙に『KAITO×女性マスター』とは、
ずれてる……と思います(;^ω^)
ものっそベタな展開だと思いますので、それでもおk!!という
心が宇宙のように広いお方は、
『読んでやっても宜しくってよw』をクリックして下さいw
ちなみに、バックナンバーはタグの『文字読み』からどうぞww
「あ~、静かだと思ったら、寝ちゃってる……」
……意識の遠くで、友達の声が聞こえる。
寝てるって……私? 起きてるよ?
……だけど、最近あまり寝れてなかったし、
ちょっと体がだるくて動かしたくないんだもん。
もうちょっと……もうちょっとしたら動くから、
このままでいさせて欲しいのに……。
「あ、僕彼女の家知ってますから、送っていきますよ」
「え! 何で知ってるの!?」
「いやぁ、この前引っ越して来たときに近所を散歩してたら、
彼女が家から出てきてるの見てたんです。 で、今朝もちょうど見てたから。
で、会社来て、ビックリしたんですよ。『あ! あの彼女だ!』って」
「へぇ~! 偶然ってあるのね~。
あ、でも山羽さん、今日の宴会のメインなのに……」
「引っ越したばかりでちょっと疲れもありましたし、
今日はもう帰ろうかと思ってたんです」
「……そうね、引越しで疲れもあるだろうし、新しい環境の疲れもあるわね。
……じゃ、彼女のことお願いしても……いいのかな?」
「はい、お任せ下さい。ちゃんと家まで届けますから」
「じゃ、お願いしますね」
「はい。じゃ、失礼しますね」
何だかすぐ横で友達と誰かが話してる……と何となく感じていたら。
急にふわりと体が浮く感覚。
これ……誰かにおんぶされてる……のかなぁ……?
……でも、何だか安心できる暖かさと力強さを感じて。
「……KAI、TO……」
自分が寄りかかってる、暖かな存在に回した手に少しだけ力が入る。
……その暖かさに何故か『彼』を思い出して、
少しだけ悲しくなってしまった……。
僕は目の前の自分のベットでスヤスヤと眠る彼女の髪を、ひと房手にとって。
その……サラサラとした手触りに、
感じるはずのないデジャヴを胸に抱きつつ、その髪を唇へと寄せた。
「あなた……だったんですね。出会えて良かった……」
胸に、体に、本能に……湧き上がる衝動を抑えつつ。
僕は、眠り姫の如く寝ている彼女を見つめていた……。
「……ん……?」
少しずつ意識が浮上する。
暖かな布団に……自分のものではない香りを感じて。
ぎょっと思い、目をぱちっとあけると。
ここ……どこ!? 自分の部屋じゃない!!
「あ、起きましたか? おはようございます。
ちょうど、そろそろ起こそうかと思ったんですよ」
えっ!?
見慣れない部屋に驚いてるところに襲い掛かる見事なまでの波状攻撃に、
自分が今現在一体どういった格好なのかも忘れて、
慌てて起き上がってしまった。
私が寝ていたベットの枕元に、腰掛けている人物一人。
「や、山羽……さん!? わ、私一体……!?」
頭が何だかぐるぐるしてくる。
一体何がどうしてこんな状況になってるの!?
すると目の前の彼は
笑いをこらえるかのような表情で私を見たかと思うと。
「……覚えていませんか? 昨晩は……あんなに素敵な夜を過ごしたのに」
……え゛?
私は呆然としたまま、視線だけで自分の体を見た。
う、うん。 服は寝てて乱れてるけど昨日のままだ……よ……?
あれ? でも……何!?
パニックになった私は……何だか視界が滲み始めて。
「……え……?」
と、文章にならない言葉を口にしたまま、ぼろぼろと泣き出してしまった。
途端に慌てはじめた目の前の……山羽さん。
「ごごご、ごめんなさい!! 冗談ですよ、冗談!!
僕、何もしてませんから!!
お願いですから、落ち着いてください、マス……」
彼は急にぐっと言葉を飲み込むと。
彼は優しく私を引き寄せて。
片手でぽんぽんと私の背中をしてくれながら、
彼のパジャマの袖で、私の涙を拭いてくれた。
「ちょっと驚かせようかと思って……。悪ノリし過ぎましたね、本当にすみません。
……昨日、職場の飲み会だったのは覚えてますか?」
私はボケボケで回らない頭をフル回転させて、昨日のことを思い出していた。
……昨日、この山羽さんの歓迎会があって。
最近寝れてなかったこともあって、久しぶりのアルコールに眠気を誘われて。
「はい……。私、途中で……寝ちゃってたんですね……」
「はい。で、実は僕、偶然貴女の家を知ってたんですよ。
で、送ろうと思って一緒に帰ってたんですけど」
彼はちょっと恥かしそうな表情でそう言って。
「貴女の家の前まで来たんですけど、何度声かけても貴女が起きてくれなくて。
バッグから勝手に鍵を探すのも悪いと思ったので、
とりあえず僕の家に連れてきちゃいました。
……あ、勿論何もしてませんからね!!」
赤い顔で私に向かってそう言ったのだった。
その笑顔に……何だか、懐かしさと親しさを覚えてしまったのだった……。
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